民泊の法整備に新たな進展です
これまでグレーだった民泊の法整備に、進展がありました。厚労省の発表によると、今年4月より民泊に対する規制が緩和します。合法的に民泊を運用していくためには見過ごせない法整備。今回は、刻々と変化する民泊の法規制について、現況をお伝えします。
2016-03-24 Airbnbの運用ノウハウ
4月から民泊の規制が緩和します
| 1月29日に施行された大田区の条例 | 4月以降、旅館業法施行令を一部改正 |
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滞在期間 | 6泊7日以上 | 1泊2日以上 |
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周辺住民対策 | 民泊申請時に周知 苦情対応窓口設置 | 自治体によっては周知義務あり |
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客室床面積 | 25平方㍍以上/室 | 1人あたり3.3平方㍍以上 |
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実施地域 | 「ホテル・旅館」の建設が可能な地域(住居専用地域は不可) | 「ホテル・旅館」の建設が可能な地域(住居専用地域は不可) |
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玄関帳場 | 備え付け義務なし | 厚労省から各自治体の備え付け義務の緩和を要請予定 |
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※雑誌Wedge 4月号より表は引用
今回発表された法令の最大の特徴は、民泊に対して規制の緩和を行っている点です。これまでの法令では、「国家戦略特区」に指定された地域は条例による民泊の規制を一任されていました。そこで今年1月29日に全国初となる”民泊条例”を施行し、滞在期間や客室床面積など、厳しい規制を行っていたのが東京都大田区です。大田区の条例では「ゲストの滞在期間が6泊7日以上」、「25平方㍍以上の物件」といった指定がありましたが、今回施行された厚労省の法令では「滞在期間は1泊2日以上」、床面積に至っては「一人あたり3.3平方㍍以上」とハードルが下がりました。急増する民泊と緩和する法規制。今回の法令改正に対してどう向き合っていくか、運用側の姿勢に注目が集まります。
法整備の背景① 訪日外国人の増加
訪日外国人の数は2012年より毎年前年比20%ずつ増加し続け、2015年には47.1%もの伸びを記録しています。それに伴いホテルの稼働率も平均して7~8割にまで上昇しており、今後も2020年東京オリンピックに向けて観光客の増加が見込まれます。宿泊受給がひっ迫する中、必要となってくるのが外国人観光客の受け入れ態勢です。このまま増加し続ける観光客を受け入れるには、ホテルだけでなく民泊の整備を整える必要性が出てきます。
法整備の背景② 急増する民泊の現状
現状として、法整備が追いつかないまま急増してしまっている民泊。悪環境の民泊も混在している中、規制を整え合法的に民泊を活用する必要があります。1月29日に大田区の条例が施行されてもなお、Airbnbのサイト上には施行前と変わらず未申請の物件が掲載されています。民泊市場がここまで拡大してしまった今、実態に合わない条例は形骸化してしまいがちです。形骸化させないためにも、適度な条例の設定が求められます。
まとめ
発展余地の大きい民泊業界の動きは非常に機敏です。訪日外国人の受け入れや、急増した民泊物件に対応すべく、これまでグレーだった民泊の法整備が、2016年、徐々に進んでいくのではないでしょうか。今後民泊業界がどのように動いていくか、注目が集まります。
Airbnb 代行コンサルティングTwist